あ!亀裂が!溝の中まで見せます!未完成のオベリスク
今、私たちはアスワンに来ています。エジプトでたくさん作られたオベリスク、
いったいどのようにして作られたのでしょうか?
今日はその謎に迫りたいと思います。
紹介ビデオ
この遺跡に入場すると左手にある建物の中でビデオを見ることができます。
約7分のビデオで日本語はないようですが、映像でオベリスクの作り方を見ることができます。特に長いオベリスクをどのように立てたかの映像は興味深く見ることができるでしょう。砂を使ったようです。
そこから歩いて約5分、階段を上るとその奥に切りかけのオベリスク、別名
未完成のオベリスがあります。
この未完成のオベリスクのおかげで当時どのようにして作ったのかが解明されました。約3500年前の遺物です。
Q どれほどの大きさがあるでしょうか?
皆さんこれ何メートルあると思いますか?
何と42メートルもあります。もし完成していれば、古代エジプトでは最大のオベリスクとなったはずです。
重量は一トン以上あると言われています。
Q ではどのようにして巨大なオベリスクを作ったのでしょうか?
古代エジプトでは花崗岩に切り込むのに、花崗岩より硬い粗粒玄武岩(そりゅうげんぶがん)またの名をドレライトという石の小さな球を使ったと言われています。この周辺からは直径15cmから30cm、重さ5.5kg程度の石の球が発見されており、数えきれないほど出土しています。
映像をよく見ると溝の底に凸凹があります。これが丸い石で岩を削った後となっています。オベリスクというのは巨大な岩から切り出したもので、つなぎ目などはありません。
当然、当時電動工具などはありませんでしたからこれほど大きなものを切り出すには相当な労力が言ったはずです。これだけ狭い空間に体を入れて作業するというのは相当な重労働だったと思います。
ちょっと試しにこの石の球でどれほど岩を削れるかやってみたいと思います。その様子は映像でご覧ください。
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Q どのように作業したんでしょうか?
作業は具体的には、オベリスクを切り出すラインに沿って数千人の作業員が配置され、3人1組に分けられます。そして3人のうちの2人が立って石の球のついた棒を振り下ろす役、残りの1人がしゃがんで石をつく位置を確認、指示を出していたと考えられています。
この作業は、歌に合わせて行われていたようで、歌には打つリズムを同じにする効果と、重労働に就く作業員たちの気を紛らわす役割があったそうです。岩山の斜面を切り出していますが、それは完成した後運び出しやすくするための工夫かもしれません。斜面の上部がオベリスクの上側となっていました。
画面で縦と横にひびが入っているので見えますか?
この完成まじかオベリスクに亀裂が入ったときの様子を想像することができますか?何千人もの人が何ヵ月または何年もかけてやっとここまで削り出しました。多くの汗が流れ、手には豆がたくさんできたことでしょう。ところがある日そこにビシ!と亀裂が入ったわけです。彼らの驚きと落胆が今でも伝わってくるようです。
行き方
アスワン市内に宿泊すればホテルでタクシードライバーを手配してもらうことができます。私たちはタクシー一台、半日借り切って370エジプトポンドでした。半日かけてイシス神殿、アスワンダム、そしてこの未完成のオベリスクを回りました。
アスワンはかなり暑いので涼しい時期に来ることを特にお薦めします。またここは花崗岩の岩山で足元が悪いので歩きやすく、滑りにくい靴が良いでしょう。
以上アスワンの未完成のオベリスクからお伝えしました。是非皆さんもご自分の目でご覧になってみてください。労働者の息遣いが今でも聞こえてくるようです。